こんにちは、りょっちーです!
私はWebサイトやアプリを作るシステムエンジニアとして東京と岡山で数年ずつ働き、
現在は在宅ワークで仕事をしています!
システム開発の現場では、「成果物(せいかぶつ)」という言葉をよく耳にします。
でも、「システムの成果物って何を指すの?」「完成品のこと?」とぱっとイメージがしにくいこともありますよね。

経理や総務でも成果物ってよく聞くけど
システム開発では完成品のことじゃないの?

じつはちょっと違うんだ。
今回は、システム開発における成果物について
紹介していくよ!
成果物という言葉はもともと、活動の結果として生まれたモノ全般を指します。
学校の課題や仕事で作成した資料なども“成果物”と呼ばれたりします。
ただ、システム開発では「成果物=完成品」ではなく、そのほかのものも成果物として扱います
例えば、システムを開発する際、実際のシステム以外にも要件定義書や設計書など、プロジェクトを進めるために作成されるモノがいくつもありますがそれらはすべて「成果物」として扱われます。
この記事では、開発初心者やこれからチーム開発を学ぶ方に向けて、
システム開発における成果物とは何か? なぜ必要なのか? どんな種類があるのか?をやさしく解説します。
成果物とは?

「成果物」とは、開発の過程で生まれるアウトプット(作られたモノ)を指します。
システム開発では、「完成したシステムそのもの」だけが成果物と思うかもしれませんが、
実はその途中で作成される要件定義書・設計書・テスト仕様書などの資料もすべて含まれます。
システム開発の現場では、書類系の成果物のことをまとめてドキュメントと呼びます。
合わせて、実際にプログラムした成果物は「ソース」としてまとめられます。

成果物とは「開発の中で、チームで共有するために
作る“形あるもの”」ってイメージだよ!

つまり、途中の資料とかチェック表も成果物なんだね!
誤解されやすいポイント
成果物という言葉は以下のように誤解されやすいです。
- 「成果物=納品物・完成品」と思われがちだが、実際には途中で作る資料も対象
- 「何が成果物になるのか」「どこまで残すべきか」は、現場によって曖昧になりやすい
改めて、システム開発における成果物について整理します。
- 成果物には、システム以外の“工程ごとの資料”も含まれる
- チームで開発を進める場合、成果物は情報を整理・共有するための重要な手段
このように、成果物を「完成したもの」だけと思っていると、開発の流れを見失ってしまうこともあります。
次の章では、成果物がなぜ必要なのか?について具体的にみていきます。
成果物がなぜ必要なのか?
設計と実装をつなぐ“道しるべ”
システム開発では、最初に要件を決め、そのあとに設計を行い、最後に実装していきます。
この流れの中で、成果物は各工程をつなぐ“橋”や“道しるべ”のような役割を持ちます。
各工程ごとで必要な成果物をきちんと残すことで、次の工程をスムーズにし、
結果としてより良いシステムを作ることができるようになります。
チームでの情報共有に必要
システムを作る際はチームで開発を行うことが基本です。
1人開発であれば頭の中だけで済む話も、チーム開発では共通の理解が欠かせません。
成果物があることで、認識のズレや言った言わないの問題が減り、
スムーズに役割分担やレビューが進められるようになります。
品質担保や引き継ぎでも活躍
成果物は「今どういう状態か」「なぜこう作ったか」を示す記録でもあります。
たとえば、こんな場面で役に立ちます。
- レビュー時のチェックポイント
- トラブル発生時の原因追跡
- 人の入れ替わりに伴う引き継ぎ

きちんと成果物を残さずに進んだ結果、
あとになって大変なことに・・・。
ということを何度も経験したよ
成果物の種類一覧

開発フェーズごとの成果物
システム開発では、工程ごとに必要なアウトプット(成果物)があります。
要件を整理したり、設計を共有したり、テストを実施したり──
それぞれの工程ごとに、様々な成果物が残っていきます。
主な成果物の例
フェーズ | 成果物の例 |
---|---|
要件定義 | 要件定義書、ユースケース図、業務フロー図など |
基本設計 | 画面設計書、外部設計書、DB設計書など |
詳細設計 | 内部設計書、処理フロー図、パラメータ仕様など |
実装 | ソースコード、構成管理資料 |
テスト | テスト仕様書、テスト結果報告書 |
リリース・運用 | 操作マニュアル、運用手順書、引き継ぎ資料など |

こうやって見ると、資料だけでもたくさんあるんだね!

工程ごとに「何を決めて」「何をつくるのか」が全然違うよ
すべて重要な成果物だからきちんと残していこう!
成果物を残すことのメリットと注意点
きちんと開発できているかの判断材料
開発では「決める → 作る → 試す → 使ってもらう」という流れで進んでいきます。
この中で、「前の工程がちゃんと終わっているか」を判断するためには、
成果物として形に残っていることがとても大切です。
成果物をきちんと残していないとこんな問題が起こることがあります。
- 基本設計の資料があいまい
⇒その設計が本当に正しいのか他の人には判断できない - テストした結果の記録をきちんと残していない
⇒どのテストが終わっているのか、きちんとテストが実施できているのかわからない - 実装内容と設計がズレていたとき、資料がない
⇒「設計ミス?実装ミス?それとも要件の伝え忘れ?」と判断がつかない - 成果物がきちんと揃っていないのにリリース
⇒リリース後、取り返しのつかない障害がおきてしまうかも・・・。
逆に成果物をしっかり残しておくことで
- 他の人に引き継ぎやすい
- 問題があったときに見直しやすい
- 「やるべきことが、やれていたか」を確認できる
など、システム全体の品質を保つための土台になります。
「誰かに見せること」を意識する
成果物はフォーマットも含め、すべてがきれいにまとまっている方が良いですが
入念に作りすぎると時間がかかりすぎてしまい前に進めないこともあります。
まずは「後から誰かが見ること」を意識して、
決定事項やそれまでの痕跡を残しておくことを意識してまとめることが重要です。
このように、成果物は作業や実際に作ったものだけではなく、品質を支える見える化ツールでもあります。
まとめ

この記事では、システム開発における「成果物」について紹介してきました。
- 成果物とは、開発中に作られる資料やアウトプット全般のこと
- 設計書やテスト結果など、完成品以外にもたくさんの成果物がある
- 成果物を残すことで、チームの認識をそろえたり、品質を保つことができる
システム開発では、「何をどう作るか」だけでなく、
「それをどうやって証明するか、伝えるか」もとても大切になります。
今後、成果物の中でも特に大事な「要件定義書」や「設計書」についても
それぞれの記事でくわしく紹介していく予定です。ぜひあわせて読んでみてください!
以上、りょっちーでした!
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